心温まるほっこりブログ(ウェディング編)

ひとつひとつが読むとこころがほっこりする記事になっています。記事によってはほっこりどころかウルってくるものもあるのでぜひ一通り目を通してみてください。読み終ったら冷めた感情も温かなこころに変わっていることでしょう。

エピソード その2 理想の祖父母

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私は2016年に入籍し、2017年に結婚式を挙げました。

祖父母も参列決定

以前から、祖父母は私に「孫の結婚式に参列してみたい。」という話をしていました。

幸いにも、主人は結婚式を挙げることに賛同してくれましたので、結婚式を挙げることとなりました。

しかし、祖母は数年前から膝を痛めており、また挙式会場には長距離バスで片道3時間もの時間がかかるため、祖父母に相談しました。

祖父から「私が祖母を連れて行くから心配ない。」という返答があり、参列が決まりました。

仲のいい祖父母

結婚式当日、祖父母は無事到着し、挙式・披露宴と参列してくれました。

後日、カメラマンさんから当日の写真が郵送されてきました。その中に、祖父母のツーショット写真がありました。

祖母が右手で杖をつき、左手は祖父と手を繋ぎ歩いているところでした。

照れくさそうに笑う祖母に対し、不愛想な祖父の姿がそこにはありました。

こんな風に一緒に年をとり、手を取り合える夫婦になりたいと思いました。

チャーミングな祖母

本当に微笑ましい写真でした。

私は嬉しくなり、その写真を祖父母に郵送しました。

祖母は電話で「お手洗いに行って帰ってきたら、カメラマンさんがいらっしゃって、撮ってくれたのよ。手を繋いでて、なんだか恥ずかしいわっと思っているうちに、写真を撮られたの。」っと、私に言っていました。

その年の暮れ、祖父が突然倒れ、入院することになりました。私が、お見舞いに行くと約束していた日の明け方、亡くなりました。

駆け付けると、祖母が「病室って、看護師さんとかがいらっしゃるから、恥ずかしくて、おじいちゃんの手を一度も握ってあげられなかったのよ。」と、涙ぐみながら残念そうに私にぽつりと呟きました。

そのため、お別れ会時の上映予定の最後のスライドにあの写真を差し込みました。祖母はその映像を見て、静かに泣いていました。

「あの時、この写真を撮ってもらえてよかったわ。

私の遺影はこの写真にしてもらおうかしら。」と、おどけた祖母があまりにチャーミングで祖父が天国から見ているといいなと心から思いました。